【クイズの解説】メロという魚をご存じですか?

さかなクイズ 第76問

Quiz問題

以前は「銀ムツ」という通称で流通していた白身魚の「メロ」。通常は70cmほどの大きさですが、最大でどれぐらいの大きさになる?

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  • 【1】 1メートル
  • 【2】 2メートル
  • 【3】 4メートル

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正解と解説

【2】2メートル

メロってどんな魚?


メロはチリ、アルゼンチン沖や南極海で獲れる魚で、南極周辺の深海にのみ生息するスズキ目ノトセニア科の大型深海魚。

標準和名は「マジェラン アイナメ」。脂肪が多い白身魚で、日本では照り焼き、焼き魚、煮付けなどにして食されます。

水深80〜1,500mの水域に生息し、寿命は約50年。大きい成魚だと2メートル以上の大きさにもなります。漁獲国はチリ、アルゼンチン、オーストラリア、フランス、イギリスなど。

現在の日本では食用白身魚として「メロ」という流通名(市場名)で広く利用されていますが、以前は「銀ムツ」という通称で流通していました。(現在この商品名は使用できず、「銀ムツ(メロ)」などの表記は可。)

日本での呼び名「メロ」は、チリにおける呼び名「Mero」から来ており、さらに元をたどればスペインでハタを指す言葉。英名では「パタゴニア・ツースフィッシュ」、アルゼンチンでは「黒いメルルーサ(Merluza negra)」と呼ばれますが、魚類分類学ではハタ、メルルーサ、アイナメのいずれの仲間でもありません。

なぜ流通名が変わったの?


一般に流通している魚には一般名称のほかに「通称」をもつものが多く、「銀ムツ」というのは通称です。

1980年頃から延縄を用いたメロの漁獲が本格的に始まり、ギンダラの代用魚として日本にも輸入されるようになりました。

当初は、日本に存在しない魚に対し、味や見た目が似ていることから、日本の食卓でも馴染みのある魚の仲間のような「通称」を使うことが許されていました。日本の水産加工業者が「メロ」を切り身や漬け魚に加工・販売するにあたり、「むつ」に見た目が似ていることから「銀ムツ」と名付けたという話です。

ところが原産地などの名称表示と共に、水産物などの名前も正しい名前を付けるよう、2003年にJAS法が改訂されました。その結果、それまで「銀ムツ」と呼ばれていた魚は、本来の名前である「メロ」と呼ばれるようになったのです。

味・料理法


脂が乗って美味。ギンダラ同様、味噌漬け、粕漬け、照焼き、煮付けによい。メロの煮つけはしっとりして柔らかく、脂の甘さがあり、まったくクセのない味わい。醤油との相性もよく美味。また、ソースやハーブを用いた洋風料理にも利用されます。

需要が高まる高級魚


日本では人気も馴染みもある魚ですが、食材としての高い評価から近年では日本以外でも需要が急増しています。

一方で乱獲や密漁による資源の減少が著しく、世界的な問題となっており、市場では品薄状態で価格が急騰しているため、メロは高級魚のひとつとなっています。

★参考: メロ|世界のおさかなギャラリー

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