【解説】うなぎの味を3種楽しめる名古屋名物「ひつまぶし」

愛知県クイズ 第7問

問題

おひつにウナギの蒲焼きを刻んでまぶした名古屋名物「ひつまぶし」。
ひつまぶしの食べ方は、1.そのままたべる、2.薬味をのせて食べる、3.だし汁をかけてお茶漬けにする、の3つが主流です。
では、お店でひつまぶしを注文した時にでてくる薬味の定番と言えばどっちでしょう?

  • 【1】 山葵(ワサビ)
  • 【2】 山椒(サンショウ)

正解と解説

【1】山葵(ワサビ)

ひつまぶしの薬味の定番は、ワサビの方でした。

薬味はお店によって多少違いがありますが、「ワサビ・ネギ・きざみ海苔」が良く知られています。三つ葉、シソ、ゴマ、アサツキなどを添えるお店もあります。


山椒(サンショウ)は、うな丼やうな重の薬味に良く使われていますね。もちろん、ひつまぶしは山椒をかけても美味しく楽しめます。ただ、山椒は古くから臭みを消すスパイスとして使われていたので「うなぎ本来の風味を邪魔するから」という理由でお店に置かないところもあるようです。

ウナギを堪能できる郷土料理



ひつまぶしは、おひつに入れたご飯の上に細かく刻んだウナギの蒲焼きをのせて出てきます。そのまま通常の鰻丼のように食べることもできますが、薬味を乗せて一緒に食べたり、出汁茶漬けとして食べたり、食べる側の好みで、味の変化を楽しむことができます。

ひつまぶしの発祥


ひつまぶしの発祥については諸説ありますが、愛知県名古屋市熱田区の「あつた蓬莱軒(ほうらいけん)」や「錦三丁目 いば昇(いばしょう)」などの老舗を発祥とする説があります。

食べ方


一般的な食べ方は、おひつの中のご飯を しゃもじ で4等分にして、1/4ずつ茶碗に入れて食べ方を変えていく方法です。

最初はウナギとご飯をそのまま食べます。2回目は、好みの薬味を入れて混ぜて食べます。3回目は、出汁や煎茶を注いでお茶漬けにしてたべます。4回目は、自分が最も気に入った食べ方で食べます。

関西と関東で違いがある


関東流は、ウナギを背中から開いて、頭を落とし、蒸してからタレをつけて焼きます。関西流は、ウナギをお腹から開き、頭をつけたまま、蒸さずにタレをつけて焼きます。

ではなぜ関西では腹開き、関東では背開きなのでしょうか?諸説ありますが、これはウナギの蒲焼きの調理法が違うことが関係しているそうです。

関東では白焼きした鰻を蒸してから焼き上げます。この時、身が厚い背中側に串を打たないと身が割れてしまうため背開きになったと言われています。蒸してから焼くことで、やわらかく仕上がり、脂が落ちて、さっぱりした味でいただくことができます。

一方、関西では蒸さないでウナギをタレ焼き(地焼き)します。うなぎの脂を上手に「焼き」に活かすことで、パリッと香ばしく出来上がります。名古屋名物のひつまぶしは最後に出汁をかけて楽しむので、地焼きが合うと言われています。

蒲焼きのタレにも地域で違いがあります。愛知県・名古屋のたれは、甘くて濃いのが特徴です。関東風のたれは、基本、醤油とみりんが同量でさらっとしています。

このように、ウナギは地域によって調理法・食べ方・タレにも違いがあります。また、薬味や出汁にもお店ごとに素材を美味しく食べるための工夫があります。そんな違いに目を向けてみると、いっそう美味しさを堪能できるかもしれませんね。

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