【クイズの解説】抗菌・除菌・殺菌の違いとは?
デルフィーノクイズ 第23問

菌・ウイルス対策製品を求めてドラッグストアの店頭や、ネット検索で探してみると、「抗菌」「除菌」「殺菌」「消毒」など、様々な種類があるようです。
では次の中で、「抗菌」の意味として正しいのはどれ?
- 【1】 菌を長時間増やさない様にすること
- 【2】 菌を取り除いて減らすこと
- 【3】 菌やウイルスを無毒化すること
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正解と解説
【1】菌を長時間増やさない様にすること
「抗菌」とは、「菌を長時間増やさない様にすること」を言います。抗菌製品とは、製品の表面上における細菌の増殖を抑制することを意味しています。
ちなみに、「抗菌」「除菌」「殺菌」「消毒」それぞれの用語の意味と違いを整理すると次のようになります。
抗菌
「抗菌」とは、菌を長時間増やさない様にすることを言います。
菌を一時的に死滅・除去する殺菌・除菌とは区別されます。
経済産業省が作成した「抗菌加工製品ガイドラン」では、「抗菌加工した製品の表面上の細菌の繁殖を抑制する」とされています。
細菌の増殖を一定期間抑えることによって、菌が繁殖しやすい環境に先手を打って、菌が住みにくい環境を作ります。
除菌
除菌とは、「菌を取り除いて減らすこと」を指します。
「除菌」製品は、コロナ禍によって再注目され、市場に流通する製品の幅も量も、一気に拡大した感がありますね。
その製品群には、アルコールスプレーやジェル、ウェットティッシュ、食器用・洗濯用洗剤などがあります。菌を除去するという観点から、手洗いも除菌行為と言えそうですね。
「除菌」についての表現を整理すると、「医薬品・医薬部外品以外で、病原体となりうる菌を狙って除去しようすること」という理解で丁度良いと思います。なお、減少させる菌やウイルスの種類や、量についての定めはありません。
殺菌
「殺菌」とは、文字通り特定の菌を殺すこと。細菌などの微生物を死滅させること。
市販薬や薬用せっけん等で使用されているのを見かける「殺菌」。医薬品などの製造、表示、広告などを定めた「薬機法」の対象である医薬品・医薬部外品のみに使用できます。
菌の種類や数は問わず、数が減れば殺菌と表現することができるため、その効果・範囲については製品によって大きな差異があります。
業務用の「殺菌」方法には、「塩素殺菌」「オゾン殺菌」「紫外線殺菌」の3つの方法があり、目的や範囲によって選定されます。
「殺菌」についての表現を整理すると、「医薬品・医薬部外品にのみ使用可能で、特定の菌を死滅させること」ということになります。
消毒
「消毒」とは、菌やウイルスを無毒化することです。
「薬機法」に基づき、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認した「医薬品・医薬部外品」の製品にのみ記されている用語です。
幼少期に転んで擦り傷を作ったときに、家族や周囲の大人が「『消毒』しなきゃ」と言って薬剤を塗布し、絆創膏を貼ってくれたり…そんな思い出が蘇る用語かもしれません。
「消毒」の方法には以下の2つがあり、環境や用途によってどちらかを選択、または双方を同時に行なうなどします。
- 物理的方法…煮沸、蒸気、紫外線などによる方法
- 化学的方法…アルコール類や、塩素系の成分を含んだ薬品などによる方法
「消毒」についての表現を整理すると、「医薬品・医薬部外品にのみ使用可能で、病原体のある細菌のみを無毒化すること」となります。
消毒と殺菌の違い
「消毒」は病原性のある細菌(病原菌)のみをターゲットとして、感染症を防げるレベルまで無毒化します。一方、「殺菌」は病原体の有無に関わらず菌を死滅させることを意味します。