【クイズの解説】住宅地の狭い道での危険予測 88【バイク編】

交通安全クイズ 第316問

Quiz問題

バイク視点での危険予測トレーニングクイズです。ヒントページのアニメーション動画を見て答えて下さい。
あなたはバイクで、信号のない交差点を通過しようとしています。今回のシーンで最も大きな危険が潜んでいたのは?

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  • 【1】 左に見える自転車
  • 【2】 前方の対向車
  • 【3】 横切った自転車

正解は↓↓こちら!

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正解と解説

【1】左に見える自転車

左から自転車が飛び出してきて、危うく事故になるところでした。

交通事故の危険解説

令和2年から自転車事故は増加傾向。
事故形態で多いのは「出会い頭事故」


近年、交通事故件数全体は減少傾向ですが、自転車が第1当事者(事故の過失が重い側)となった事故は、令和2年(1万3,982件)から増加しており、令和5年は1万7,607件となっています。

令和5年の自転車事故による死傷者数(全当事者)は7万301人に上り、道路形状別で見ると、最も多かったのは「信号のない交差点(3万1,039人)」で、約44%を占めています。一方、事故類型別(第1当事者)で最も多いのは「出会い頭事故(6,347件)」で、約36%を占めています。

今回のように信号のない交差点を通過する際には、自転車との出会い頭事故が多いことを忘れず、十分注意することが大切です。

自転車側に多い「安全不確認」と「一時不停止」。
優先意識を持たず、慎重に通過する。


問題場面の交差点には一時停止の標識や路面標示がありませんでしたが、自転車が出てきた交差側の道路には停止線があり、そちらには一時停止の規制があったようです。

信号のない交差点で自分のほうに一時停止の規制がないと、つい優先意識をもって走ってしまいがちですが、交差道路の車両や自転車が必ずしも一時停止を守るとは限りません。

実際、令和5年の自転車の法令違反別事故件数(第1当事者)では「操作不適(4,232件)」が最も多いものの、続いて多いのが「安全不確認(3,572件)」と「一時不停止(2,506件)」になります。

問題場面をよく見ると、左側の植込みの間に自転車に乗る人の頭がわずかに見えていました。それを見落とさないのに加え、「相手がこちらを確認しているだろう」とか「相手が止まるだろう」と安易に考えないことが大切です。
(資料=交通事故総合分析センター)

左右の見通しが利かない交差点では、
速度を十分落とし、ブレーキの準備を!


道幅が狭くても、バイクなら対向車とすれ違う際はそれほど神経を使わずにスムーズに走れるものです。ただ、住宅街では今回のように路地から急に自転車や人が出てきたり、住宅の玄関先からこどもが飛び出したりすることもあります。

道路や原付バイクの法定速度を守るのはもちろん、生活道路では歩行者や自転車の安全を守るため、速度を時速30km以下に規制する「ゾーン30」というエリアもあります。

しかし、時速30㎞で走っていれば必ず安全というわけではありません。アスファルトの乾燥路面での時速30kmからの停止距離は約11m(反応時間0,75秒の場合)。つまり、危険を発見してすぐブレーキをかけても、10m以上進んでしまいます。

さらに路面が滑りやすい雨天時や反応が遅れた場合には、停止距離はさらに延びてしまいます。見通しが悪い場所や、こどもの飛び出しが予測されるような場面では、さらに速度を落とし、すぐブレーキをかけられる準備をしておきましょう。

自転車からの視点


自転車からの視点

上は交差点に差し掛かった自転車から見たもので、交差点の手前には一時停止の標識と路面標示があり、軽車両である自転車はそれに従い、停止線の手前で一時停止をする必要がありました。また右側をよく見ると、植込みの間にヘルメットをかぶったバイクに乗る人も見えていました。

自転車は免許がなくても気軽に乗れるため、交通ルールを十分理解していない人が多いうえ、走り慣れた交差点では一時停止の必要性を感じず通過してしまいがちです。

しかしながら、このような信号のない交差点では出会い頭事故が多く、自転車側の違反別事故件数を見ると「安全不確認」と「一時不停止」がとても多くなっています。

ひとたび事故に遭うと自転車側が致命的なケガを負ったり、死亡事故につながったりすることも少なくないため、自分の身を守るためにも交通ルールを守ることが非常に重要です。

また、現在すべての自転車利用者に対してヘルメットの着用が努力義務化されています。自転車乗用中に事故で亡くなった人の約半分が頭部に致命傷を負っているので、たとえ短い距離でも必ずヘルメットを着用しましょう。

さらに2026年4月からは、16歳以上を対象に自転車の交通違反に対し“青切符”を導入することも決定しており、それに先立ち2025年11月からは「ながらスマホ」や酒気帯び運転及び幇助(自転車の提供者、酒類の提供者)に対しても懲役または罰金が科されるようになりました。

ながらスマホによって歩行者を死傷させる事故も起きているため、事故の加害者になる危険性があることを自覚し、慎重に走ることが大切です。

★参考:住宅地の狭い道での危険予測【バイク視点】|Hondaの交通安全


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