【クイズの解説】住宅街の抜け道での危険予測 83【クルマ視点】

交通安全クイズ 第298問

Quiz問題

交通安全に関するクイズです。ヒントページのアニメーション映像を見てください。あなたは渋滞を避け、クルマで抜け道を走っています。

今回のシーンで、危険を察知するのに最も大きなヒントになっていたのは?

ヒントを開く

  • 【1】 左側のクルマ
  • 【2】 左前方の女性
  • 【3】 対向バイク

正解は↓↓こちら!

チョーク1チョーク2チョーク3黒板消し

正解と解説

【2】左前方の女性

クルマの陰からこどもが飛び出してきて危うく事故になるところでした。

クルマの陰からこどもが飛び出してきて危うく事故になる場面のイラスト

市街地の交差点では「出会い頭事故」が最も多く、
法令違反では「信号無視」が最も多い!


2022年の小学生の歩行中死傷者数は2,780人に上り、通行目的別で見ると、「通学(園)等」が1,256人、「私用(遊戯、訪問、買物等)」が1,520人、「その他」が4人となり、私用で事故に遭うケースが多くなっています。

私用の中で最も多いのが「遊戯中(366人)」で、事故が多い時間帯は14時から18時です。つまり、帰宅後に何らかの理由で外出中のこどもと事故に遭う可能性が高いと言えます。

一方、小学生の歩行中死傷者数のうち、小学生側に事故原因につながる違反があったケースは1,200人に上り、そのうち最も多いのが「飛び出し(640人)」で、半数以上を占めます。

こどもは興味をひくことがあると、周囲を確認せず、衝動的に飛び出してしまう傾向があります。今回のようにサッカーボールを持って家を出たこどもは、遊ぶことに意識が向き、車に注意を払うことを忘れて道路に走り出してしまいがちです。

さらに、こどもは車との距離や速度を正確に判断したり、次に起きる状況を予測する能力も未発達なため、車が来ていても無理に横断しようとしたりします。 また、背の低いこどもからは駐車車両が死角になり、右側から来るあなたの車は見えていなかった可能性があります。

たとえ駐車車両がなくても、こどもの視野(6歳で約90°)は大人の視野(約150°)に比べて非常に狭く、走ると前方に集中しさらに狭くなるため、左右から近づく車両を認識できない危険性もあります。

こどもを見かけたら、飛び出しを予測し徐行して慎重に通過しましょう。(資料=交通事故総合分析センター)

抜け道にはリスクが潜んでいる。
住宅街では飛び出しを想定し、速度を抑えて走る!


先を急いでいるときに渋滞に巻き込まれると、抜け道を探しがちですが、交通量が少ないからといって速度を出して走るのは危険です。

そのような道は歩道がない狭い道が多いうえ、住宅街を抜ける道の場合、住民の日常生活に利用されている生活道路であることが多く、住宅や路地から人や車が出てくる可能性があるからです。

今回のように片側が土手になっていると、基本的に右側から車や人がほとんど出てこないため、さらに速度を抑えずに走ってしまうリスクがあります。

生活道路は事故の危険があるうえ、居住者の迷惑になることもあるため十分な注意が必要です。やむを得ず走行する場合、速度を抑えたやさしい運転を心がけるとともに、見通しの悪い場所では人や自転車の飛び出しを想定していつも以上に減速し、いつでもブレーキを踏める態勢で通過する必要があります。

こどもは「自宅から500m以内」の事故が多い。
住宅やマンションの出入口付近は要注意!


問題の場面では、こどもは駐車車両の死角に入って確認できませんでしたが、よく見ると、直前に家の玄関が開き、こどもが階段を駆け下りてきていました。さらに女性がこどもを制止していたため、そこからこどもの飛び出しを予測し、すぐに止まれる速度まで減速しておくことが重要です。

なお、2022年の小学生(6~12歳)の歩行中死傷者数を発生場所で調べると、「自宅から500m以内」が約59%と最も多く、「50m以内」の事故も約13%を占めています。小学生は自宅近くで行動することが多いうえ、いつも通り慣れている道であるため緊張感が低くなり、友人や兄弟とふざけたり飛び出したり、不用意な行動を取りやすくなります。

特に住宅やマンションの出入口付近では、こどもの姿が見えないか確認するとともに、速度を抑えて注意して通過することが事故防止につながります。(資料=交通事故総合分析センター)

保護者の女性からの視点


保護者の女性からの視点

上は玄関にいた保護者の女性から見たものです。女性からは駐車車両越しにあなたの車を確認できましたが、背の低いこどもからは駐車車両の陰に隠れて見えなかったようです。

2022年の歩行中死傷者数を年齢別で見ると、小学1・2年生に当たる7歳が最も多く、4月より5、6月のほうが多くなる傾向です。入学して初めのうちは集団登校があるうえ、緊張しながら通学していますが、5月以降になると少しずつ慣れて気も緩み、不用意な行動が増えることが事故増加の一因になっていると考えられます。

こどもの事故を防ぐためには、「道路を渡るときは手前でいったん止まる」「左右から車が来ていないかを確認する」「走らず歩いて渡る」など、実際に通学路やよく通る道をいっしょに歩き、事故の危険性が高い交差点などを確認しながら、具体的に注意点や渡り方を教えて習慣づけることが大切です。
(資料=交通事故総合分析センター)

★参考:住宅街の抜け道での危険予測|Hondaの交通安全

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