【クイズの解説】西日が眩しい道路での危険予測 82【クルマ視点】
交通安全クイズ
ヒントページのアニメーションをご覧ください。
あなたは市街地を抜ける片側1車線の道路を、西日を受けながらクルマで走っています。
今回のシーンで、危険を察知するのに最も大きなヒントになっていたのは、次のうちどれでしょう・・・?
- 【1】 歩行者用信号
- 【2】 対向車
- 【3】 右側の歩行者
正解は↓↓こちら!
正解と解説
【1】歩行者用信号
すでに信号が赤になっていて、右から来たバイクと衝突するところでした。
市街地の交差点では「出会い頭事故」が最も多く、法令違反では「信号無視」が最も多い!
2022年に市街地の交差点で起きた車両相互事故は9万1,052件に上り、そのうち「出会い頭」が5万493件と最も多くなっています。
出会い頭による事故の多くは信号のない交差点で起きていますが、信号のある交差点でも1万791件発生していて、法令違反別で見ると「信号無視」が6,800件と最も多くなります。
信号無視の原因には、急いでいたり、漫然運転や脇見運転によって赤信号を見落としたりするケースが多いと思われますが、今回のように信号を十分確認しなかったために起きる事故もあります。
信号無視による出会い頭事故の場合、お互いに減速せずに衝突することが多いため、死傷事故につながりやすくなります。今回のように逆光で信号が見えづらいからといって、前車の動きにつられて不用意に交差点に進入するのはとても危険です。
太陽の位置が低い冬は、日差しによる眩惑に注意!
サンバイザーなどを活用し、視界を確保する。
一年のうち冬は太陽の位置が最も低く、太陽が一日で最も高いときの地面との角度は、夏至では78度なのに対し、冬至では32度と半分以下になります(東京の場合)。
そのぶん、冬は日差しがドライバーの目に入りやすく、眩しく感じる時間も他の季節に比べて長くなります。眩しさは視認性の低下につながり、それが事故の要因になることがあります。
科学警察研究所の調査によると、太陽の高度が10~30度のときに運転中のドライバーの目に光が直接入りやすく、交通事故率が高くなっています。また、太陽が正面に近い状況での事故の割合が高く、今回のような車両との出会い頭以外にも、人対車両事故や右左折時の事故も発生しています。
眩しさで信号がよく見えないまま漫然と運転したり、安易に前の車に続いて交差点に進入したりすると事故につながります。日差しが強いときはサンバイザーやサングラスを活用し、視界を確保するのが有効です。
ただし、サンバイザーは太陽が低いと上方の視界を遮るため、かえって信号が見えなくなるというマイナス面もあります。サングラスも透過率が低いと日陰にいる歩行者を見落としたり、高架下やトンネルでの視認性が著しく低下したりするため、それぞれのマイナス面を理解したうえで状況に合わせて活用することが大切です。
周囲の状況から信号の変化を予測することも大切。
信号が見えづらい場合、減速や徐行が基本!
日差しで車両用信号が見えない場合、見えないながらも周囲の状況から信号の変化を予測することもできます。その一つが歩行者用信号の変化。
今回のケースのように歩行者用信号が赤の場合は、車両用信号も赤に変わっている可能性があることを予測して運転する必要があります。また、対向車や歩行者の動きからも予測可能です。
ただし、交差点によっては歩車分離式信号になっていて、必ずしも歩行者用信号と車両用信号が同じタイミングで変わらないこともあります。
歩行者用信号などは一つの目安として考え、信号が見えづらい場合、速度を抑えて慎重に通過するのが基本です。
後続車がいなかったり、後続車との距離が十分離れていたりする場合、交差点手前で徐行したり、一旦停止することも事故防止につながります。
また、眩しいときは太陽を直視せず、少し太陽から視線を外すことで視認性が改善されることもあるため、運転に支障が出ない程度に視線を外して運転するのもいいでしょう。
バイクからの視点
上は交差道路のバイクから見たものです。交差点に近づいた際に信号がタイミングよく赤から青に変わると、つい「運がいい」と思ってそのまま通過してしまいがちです。
しかし、信号の変わり目は急いでいたり、漫然運転により信号の変化に気づかない交差車両が交差点に進入して来たり、青信号のうちに渡り切れなかった高齢者が横断して来たりすることもあります。
青になったからと、左右の安全を確認せず不用意に交差点に進入すると事故につながる危険性があるため、注意が必要です。
とくに今回のように左側の交差車両に日差しが当たっている場合、ドライバーは眩惑され、信号の変化を見落とす危険性があります。信号の変わり目は、交差車両や歩行者が停止するのを必ず確認してから通過することが事故防止につながります。