【クイズの解説】景色のいい山道での危険予測 81【バイク視点】

交通安全クイズ 第292問

Quiz問題

HONDAの交通安全「危険予測トレーニング」からのクイズです。ヒントページのアニメーションをご覧下さい。

あなたは2台のバイクとともにカーブやアップダウンの多い山道をツーリングしています。今回のシーンで最も大きな危険が潜んでいたのは?

ヒントを開く

  • 【1】 軽トラック
  • 【2】 対向車
  • 【3】 右側の自転車

正解は↓↓こちら!

チョーク1チョーク2チョーク3黒板消し

正解と解説

【2】対向車

前方から対向車が来ていて、正面衝突するところでした。

増加率が高い「自動二輪車乗車中」の事故。「正面衝突」の死亡事故率は28%!


■

2022年の交通事故死者数(状態別)のうち、前年より増加したのは「自動二輪車乗車中(3.3%増)」、「歩行中(1.5%増)」、「自動車乗車中(1.2%増)」で、自動二輪車に乗っていて死亡した人の増加率が最も多くなっています。

同じ2022年に起きた二輪車事故のうち、相手が四輪車など車両相互で起きた事故では「出会い頭(3,105件)」や「追突(2,078件)」が多く、今回のような追い越し・追い抜きによる「正面衝突」は18件と決して多くありません。

しかし、事故件数における死亡事故の割合を調べると、「出会い頭」が1.3%、「追突」が0.7%なのに対し、「正面衝突」は28%と圧倒的に高くなっています。つまり、正面衝突事故は死亡事故に直結しやすい事故と言えます。
(資料=交通事故総合分析センター)

イライラや焦りが正確な判断を妨げる。安易に追従せず、慎重な判断を!


遅い車が前にいてなかなか追い越せずにいるとイライラが募り、追い越しができるようになった途端、すぐに追い越したいという衝動に駆られることがあります。

さらにツーリング時は集団心理から「仲間のバイクに遅れないように」と焦ったり、「前のバイクが行ったから大丈夫だろう」と過信し、安全確認がおろそかになったりしがちです。

問題の場面では事故につながるマイナス要素が積み重なったうえ、自己都合な心理状態も加わると、周囲に注意を払う余裕がなくなり、追い越しの正確な判断が難しくなります。「こんなときこそ危険が潜んでいるかもしれない」と冷静になり、慎重に安全確認を行ったうえで追い越しの判断をすることが大切です。

運転中、他車に対して「イライラ」や「焦り」を感じたら、呼吸を整え、数秒待って気分を落ち着かせましょう。道路には運転に慣れていない人や景色を楽しみながらゆっくり走りたい人もいます。お互いに譲り合えば、気持ちよく走ることができて、結果的に事故のない走行にもつながります。

カーブやアップダウンによる死角が多い山道。見通しが悪い場所では追い越し厳禁!


山道ではカーブやアップダウンが多く、前方の見通しが悪い場所が少なくありません。問題の場面も緩やかな上り坂から下り坂になる場所で、前方から来る対向車がわずかしか見えませんでした。

アップダウンのある道路での追い越し時の判断の誤りは正面衝突による死亡事故につながりやすいため、決して無理をしないように注意しましょう。

追い越しやはみ出し禁止などの規制を守るのはもちろん、今回のように上り坂の途中で対向車線が十分見通せない場所では、決して無理な追い越しをしてはいけません。道交法でも「上り坂の頂上付近」は追越し禁止場所に指定されています。

ルートや集合場所を把握していないと、無理して追従してしまうため、事前に目的地やコース、はぐれた場合の待ち合わせ場所を共有しておくことも事故防止につながります。また、Bluetooth等の無線装置があれば、仲間の間に別の車が入ってしまい、もしはぐれても、お互いの位置や待ち合わせ場所を確認できます。

対向車からの視点


■

上は対向車から見たものです。景色のいい山道ではツーリング中のバイクと遭遇することがあります。

複数台でツーリングするバイクは、前のバイクに遅れまいと無理な追従をしたり、制限速度を超えて走ったりするケースがあります。

今回のように対向車線から追い越してくるバイクを1台見たら、それに続くバイクの存在を予測して、速度を抑えてすぐブレーキを踏める準備をしておきましょう。

また、後方から来たバイクに無理な追い越しやすり抜けをされることもあるため、バックミラーで周囲の状況を確認するとともに、常にバイクの存在には注意を払い、追い越しをされた際は速度を落として先に行かせるような配慮も必要です。さらに、急な右左折でバイクを巻き込んだりしないように注意することも大切です。

★参考:景色のいい山道での危険予測【シーン81】|Hondaの交通安全

この解説は役に立ちましたか?→

危険予測トレーニングのDVD