【クイズの解説】通勤時間の踏切での危険予測 74【クルマ視点】

交通安全クイズ 第268問

Quiz問題

HONDAの交通安全「危険予測トレーニング」からのクイズです。ヒントページのアニメーションを見て答えて下さい。
朝、あなたは車で会社に向かおうとしています。今回のシーンで最も大きな危険が潜んでいたのは、次のうちどれでしょう?

通勤時間の踏切での危険予測【シーン74】

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  • 【1】 左側の車
  • 【2】 対向車
  • 【3】 右側の歩行者

正解は↓↓こちら!

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正解と解説

【1】左側の車

左から出てきた車に前を塞がれ、踏切内に取り残されてしまいました。

踏切を通過する際は、前方だけでなく、周囲の状況を幅広く確認することが大切!


踏切内に取り残された状況

踏切では遮断機や警報機の有無・作動に関係なく、直前で一旦停止し、前方、とくに踏切の向こう側のスペース、そして左右を確認します。ここでラジオなどの音を小さくし、できるだけ運転席の窓を開けて警報音が鳴っていないか確認しましょう。なお、信号機の付いている踏切については信号の表示に従って進むことができます。

今回のように踏切の向こう側に入るスペースができれば、そのまま踏切を渡り始めてしまいますが、路地から車が進入し、踏切内に取り残されてしまうこともあります。

また、渋滞していないと、つい前車につられて空きスペースを十分確認せずに進んでしまうこともありますが、交通状況によっては、急に車の流れが滞ることもあります。

問題の場面をよく見ると、前方の信号が黄色になったことから車列が進まないことが予想できるので、周囲やさらに先の状況も十分確認してから慎重に発進しましょう。とくに電車の本数が多い朝夕の通勤時間帯は、遮断機がすぐに閉まることがあり、安易な判断で進んでしまうと、踏切内に取り残される危険性があるので注意が必要です。

踏切事故は減少しているものの、死亡事故になる危険性が高い。


立体交差化による踏切数の減少や保安設備の整備等で踏切事故(注)は減少しています。2011~2020年の10年間では、2012年と13年が198件と最も多かったものの、そのあとは減少し、昨年2020年は129件となっています。しかし、踏切事故は列車と衝突して死亡事故に至るケースが多く、10年間平均の死亡事故率は、交通事故全体では約0.7%なのに対し、踏切事故では約27.9%と圧倒的に多くなっています(交通事故総合分析センター『交通統計』より)。

国土交通省鉄道局によると、踏切事故の原因でもっとも多いのは、自動車等が列車の通過する直前に踏切内に進入する「直前横断」です。時間に追われていると安全確認が不十分になったり、警報器が鳴り始めても無理に通過しがちです。時間に余裕をもって家を出たり、踏切の通過に時間がかかりそうな道を避けることも大切です。

注:踏切事故は踏切上の事故で、当事者が列車でない場合も含む。

故障などで踏切内に取り残された場合、非常ボタンや発炎筒で危険を知らせる。


非常ボタンのイラスト画像

故障などが原因で踏切内において車を運転できなくなった場合、速やかに踏切の外へ出て、自身の安全を確保のうえ、一刻も早く警報器の支柱などに取り付けられている非常ボタン(踏切支障報知装置)や車両に備えられている発炎筒などで列車に危険を知らせるとともに、車両を踏切の外に移動するために必要な措置を講じなければなりません。

周囲に人がいる場合、非常ボタンの押下など協力を求めることや、逆に自身が歩行者の場合、事故回避の協力をすることも大切です。

なお、遮断棒が下りてしまっても、前方や対向車線側にスペースがあれば、そのまま車を前進させ、遮断棒を押し上げて出ることができるので、歩行者等に気を付けて踏切内から出るようにしましょう。


【別視点】合流する側からの視点


道路に左折しようとしている車の視点

上は路地から道路に左折しようとしている車から見たものです。通常の交差点と違って優先順位が明確ではありませんが、このようにすでに踏切を渡り始めている車が右から来ている場合、先に左折すると、その車が踏切内に取り残されてしまう危険性があるため、停止したまま道を譲るようにしましょう。

なお、このような場所では、線路方向に右折できないことが多くなっています。標識を確認するのはもちろん、たとえ右折禁止ではない場合でも、左右方向から来る車と交錯したり、渡った先の状況が見えづらく危険をともなうため、右折は控えましょう。

とくに車体が長いトラックなどは、曲がり切れずに線路に車体を残してしまうおそれがあり、2019年には横浜市内で曲がり切れなかった大型トラックと列車が衝突する事故も起きているため、注意が必要です。

★参考:通勤時間の踏切での危険予測【シーン74】

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