【クイズの解説】家電量販店の駐車場での危険予測 73【クルマ視点】

交通安全クイズ 第297問

Quiz問題

ヒントページのアニメーションを見て答えて下さい。
休日、あなたは家電量販店に車で買い物に来ています。
今回のシーンで、危険を察知するのに最も大きなヒントになっていたのは、次のうちどれ?

2021年8月Q264⇒2024年3月Q297

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  • 【1】 左側の風船
  • 【2】 切り返し中の車
  • 【3】 前方に見える人

正解は↓↓こちら!

チョーク1チョーク2チョーク3黒板消し

正解と解説

【1】左側の風船

車の陰から子どもが飛び出してきて、危うく事故になるところでした。


駐車場では周囲への注意がおろそかになり、
事故が起きやすい。常に予測運転を心がける!


店舗等の駐車場では一方通行が多く、車の速度も低いため、事故は少ないと思われがちです。しかし、令和4年の人対車両の事故件数を見ると、駐車場等(※)で4,600件の事故が起きており、そのうち35件が死亡事故になっています。駐車場では車を止めることばかり意識して、周囲に対する注意がおろそかになります。

一方、歩行者も車道と歩道の区別のない駐車場は、通常の道路と異なるため、不用意に通路を横断するなど危険な行動を取りがちです。駐車場ではそのような危険があることを予測し、いつでも止まれる速度で周囲の状況に十分注意して運転するようにしましょう。

※交通事故統計では、店舗等の駐車場で起きた事故は「一般交通の場所」で起きた事故に分類され、店舗等のほか、広場や空地、高速道路のサービスエリア・パーキングエリアで起きた事故も含まれる。
(資料=交通事故総合分析センター)

屋内の駐車場は暗く、車両による死角も多い。
とくに車の陰からの子どもの飛び出しに注意!


屋内の駐車場は、昼間は照明を点けていないところもあるため、屋外の駐車場に比べて暗いことが多くなります。また、トンネルに入る際と同じで、明るい屋外から暗い屋内に入った際、目が暗さに慣れるまでに時間がかかり、その間視認性が低下します(暗順応)。屋内に入ってすぐは通常より見えづらくなっていることを意識して、いつも以上に速度を落として慎重に走行する必要があります。

また、駐車場では駐車車両が死角をつくり、歩行者の発見も遅れます。今回は子どもが持っていた風船が手がかりになりましたが、子どもは背が低いため、駐車車両の陰に完全に隠れてしまうことが多く、発見されにくい傾向があります。最近人気のミニバンやSUVは車高が高く、大人でも死角に入ってしまうことが多いので注意が必要です。

ライトを点けて、すぐに止まれる速度で走行。
通路や横断歩道を横切る際はとくに注意!


屋内の駐車場は屋外に比べて暗いものの、ライトを点灯しないドライバーが少なくありません。しかし、ライトを点灯していれば、歩行者や他の車のドライバーが車の存在により早く気づくことができるので、お互いにとって安全性が高まります。屋内の照明の少ない駐車場では、必ずライトを点灯するようにしましょう。

さらに、人が飛び出してきても、すぐに止まれる速度(徐行)で走ることも大切です。とくに歩行者の近くを通過する場合は、人が歩くような速度まで減速し、ブレーキペダルに足を載せて通過するくらい慎重に走行するようにしましょう。また、駐車場によっては横断歩道を設置しています。人の動線が多い通路や横断歩道を横切る際はとくに注意して、手前でさらに減速または一時停止して、歩行者がいないのを確認してから通過します。

【別視点】子どもの母親からの視点



上は子どもの母親から見たもので、右側の車両越しに車が来ているのが見えます。保護者が子どもと手をつないで歩いていれば、事故の危険は防げたケースです。

(公財)交通事故総合分析センターが平成22年から26年に起きた「駐車場等における歩行者対四輪車の事故」を調べたところ、駐車場等における歩行者の死傷者は、交差点や交差点付近、単路での死傷者に比べて減少しておらず、6歳以下の子どもは他の年齢層に比べて死亡重傷事故につながりやすいことがわかりました。

また、歩行者側の人的要因では、7歳以上では「発見の遅れ(安全不確認)」や「判断の誤り等(相手が譲ってくれる、停止してくれると思った)」が多いのに対し、6 歳以下では「保護者等の不注意」の割合が 73%を占め、その中では「手をつないでいない」が70%に上っています。(下記『イタルダインフォメーション No.115』参照)。

決して「駐車場だから少しくらい目を離しても大丈夫」と思い込まず、道路を歩くときと同様に車の存在や動きに注意することが大切です。

とくに幼児を連れている場合は、必ず保護者が手を握り、駐車場内を走ったり、通路に飛び出したりしないよう十分注意する必要があります。また、車を止めて降りる際は、子どもが先に降りることがないようにチャイルドロックをかけ、保護者が先に降りてからドアを開け、子どもを降ろすようにしましょう。

★参考PDF:イタルダインフォメーション交通事故分析【No.115】

★参考:危険予測トレーニング【シーン73】|Hondaの交通安全

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