【クイズの解説】夜間の住宅街での危険予測 70【クルマ視点】

交通安全クイズ 第293問

Quiz問題

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あなたは夜間、ジョギングをする人が多い住宅街をクルマで走っています。今回のシーンで最も大きな危険が隠れていたのは、次のうちどれでしょう?

202011Q254→202311Q293

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  • 【1】 自転車
  • 【2】 路側帯を走る人
  • 【3】 対向車

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正解と解説

【1】自転車

自転車が走ってくる人を避けて、目の前に飛び出してきました。

車道で発生した「四輪車×自転車」の死亡事故は追突事故が多く、その多くが夜間に発生!


平成24年から平成28年の5年間に起きた四輪車(第1当事者※)と自転車(第2当事者)の死亡事故の発生場所を調べると、交差点が56%と過半数を占めていますが、今回のような単路も32%と、3割以上と多くなっています。

衝突発生地点では95%が車道で、車道で発生した死亡事故の事故形態を調べると、約半数の48%を追突事故が占め、追突事故の多くは夜間に発生していました。

つまり今回のようなケースは、車道で発生する四輪車と自転車の死亡事故の典型例で、最も注意すべき事例であると言えます。
(資料=交通事故総合分析センター)



夜間はよく見える存在だけでなく、目立たない歩行者や無灯火自転車にも注意!


今回のような自転車の急な進路変更は自転車側にも責任がありますが、問題の場面をよく見れば、自転車の危険な動きも予測できます。

左前方の赤い服を着た人の後ろから黒っぽい服を着た人が走ってきていたので、「自転車とすれ違う際、どちらかが車道にはみ出してくるかもしれない」と予測することができます。

反射材を付けた自転車や明るい服を着た人がいると、ついそちらに目が行きがちですが、黒っぽい服を着た人が歩いていたり、無灯火自転車が右側通行をしてくることも想定してくことが大切です。

なお、今回のように対向車や対面する歩行者がいるとライトは上向きにできないので、下向きのライトで確認できる範囲内で停止できる速度で走るようにしましょう。

夜間、歩行者と車両との対面通行中の事故のうち、 車道と路側帯での事故が約6割を占める!


今回は自転車との危険場面でしたが、歩行者との事故も少なくありません。

令和元年に発生した「人対車両」の事故件数(夜間、1当+2当※)を見ると、「横断中(1万1,567件)」が圧倒的に多いものの、「対面通行中」の事故も1,236件発生しています。「対面通行中」のうち、約6割が「車道(598件)」と「路側帯(173件)」で起きています。

路側帯の内側にいても、今回のように前にいる人を追い越したり、電柱や路上に止められた自転車などを避けるため、歩行者が車道に出てくるケースもあります。歩道がない狭い道路を走る際は、歩行者の存在とその動きに十分注意することが大切です。

夜間は視認性が低下して、とくに今回のような黒っぽい服を着た歩行者の場合、暗がりと同化して、かなり接近するまで認識できません。昼間と同じ感覚で走らず、十分速度を落とすことも大切です。
(資料=交通事故総合分析センター)

(※・・・事故の当事者の中で過失が重い順に「第1当事者」、「第2当事者」となる。過失が同程度の場合、けがの程度が軽いほうが第1当事者となる。)

路側帯を走る人の視点



上の絵は路側帯を走る人から見た視点です。車のライトはとても明るいので、ドライバーは自分の存在を認識していると思いがちですが、夜間は視認性が低下するので注意が必要です。

とくに黒っぽい服を着ていると、ドライバーから見落とされる危険性が高くなります。夜間、ジョギングや散歩をする場合、白や黄など明るい色の服を着て、反射材を身に着けるようにしましょう。

車のライトが下向きのとき、黒っぽい服装では約26mまで車が近づかないと確認できないのに対し、明るい服装では約38m手前、反射材を着用した場合は57m以上手前から確認できます(全日本交通安全協会発行『わかる 身につく 交通教本』より)。

最近はジョギング用のシューズに反射材が付いているものも多いですし、トレーニングウェアの生地に反射する素材を使ったものもあります。

なお、たとえ反射材を着けていても、今回のように前を走る人の追い越しや、歩行者や障害物を避ける場合、不用意に車道に出ないことも大切です。車道に出ざるを得ない場合、対向車の通過を待ってから慎重に車道に出るようにしましょう。

★参考:危険予測トレーニング:シーン70

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