【クイズの解説】高速道路の追越車線での危険予測 57【クルマ視点】
交通安全クイズ
クルマ視点での危険予測トレーニングクイズです。ヒントページのアニメーション動画を見て答えて下さい。
あなたは自動車で高速道路の追越車線を走行しています。今回のシーンで最も大きな危険が潜んでいたのは?
- 【1】 前方のトラックの先
- 【2】 左側のトラック
- 【3】 左側の 軽自動車
正解は↓↓こちら!
正解と解説
【1】前方のトラックの先
路面に段ボールが落ちていて衝突するところでした。
高速道路の落下物は約30万件!(平成29年度)
国土交通省が高速道路の落下物処理件数を調査した結果、平成29年度には29万7,200件の落下物がありました(東日本高速、中日本高速、西日本高速、本四高速の合計)。
落下物の内訳では、積み荷を覆う「シート、毛布など」が9万9,900件と最も多く、次に「動物の死骸(4万6,500件)」、「タイヤ、自動車付属品など(3万3,600件)」、「角材、ベニヤなど(3万900件)」が続きます。
仮設トイレや石膏パネル、大型コンテナなど、衝突すれば大事故になる大型の落下物も報告されているのに加え、平成28年10月には、落下物のタイヤに乗り上げて路肩に避難していた親子がタイヤに乗り上げて横転した大型トレーラーにはねられて死亡するという事故まで起きています。
このように落下物は人を死亡させる“凶器”になり得るため、落とし主であるドライバーの責任は重く、以下の法律で罰せられます。また、落下物によって第三者に損害を与えた場合、賠償の責任も生じます。
積み荷以外にもスペアタイヤやキャリアに載せたスキー板やスノーボードが落下するケースもあるので、ドライバーは車に荷物などを載せる際はしっかり固定するとともに、停止時などに落下する危険性がないか、点検することも大切です。
道路交通法 第75条の10
「高速自動車国道および自動車専用道路を走行しようとするときは、(中略)貨物が転落・飛散したりしないための措置を講じなければならない」
【罰則】
3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金。過失であった場合でも10万円以下の罰金。
落下物は情報の先読みと早期発見が大切!
道路情報板などの情報を活用し車間を空けて走る
高速道路では車の速度が高いため、落下物の発見がわずかでも遅れると事故につながる危険性があります。そこで、道路情報板やハイウェイラジオなどで落下物の存在を早めに知っておくことが大切です。今回の場合、手前の道路情報板に「この先 落下物有注意」の表示があったので、これを見落とさないようにします。
ただ、常に道路情報板やラジオから情報が得られるわけではないので、自分の目で少しでも早く落下物を発見できることも重要になります。
そこで大切なのは「車間距離」と「速度」。前車と車間距離を詰めていると、前方の見通しが悪化し、落下物の発見が遅れてしまいます。
今回のようなトラックの場合、速度が遅いとつい車間距離を詰めて、走行車線に戻ったとたんに加速してしまいがちですが、車体が大きいとより見通しが悪化するので、さらに車間距離を取る必要があります。
また、速度を出していれば、そのぶん落下物に早く接近して回避する余裕もなくなるので、最低限、制限速度を守るようにします。
なお、視認性が低下する夜間はさらに落下物の発見が遅れるので、可能な限りライトを上向きにして、速度を抑えて走るようにしましょう。
前方に落下物を発見したら、まず減速。
周囲を確認してからハンドルで回避。
落下物にもいろいろあり、金属や角材を踏めばタイヤがパンクしたりバーストする危険性がありますし、シートや毛布も視界を遮ったり、車の足回りに巻き付いて故障や事故の原因になりかねません。そのため、落下物はできるだけ踏んだり跨がないことが大切ですが、高速走行中に慌ててハンドルで回避すれば、車の挙動が乱れてスピンしたり、ガードレールや中央分離帯に衝突する危険性があります。
そこで落下物を発見したら、まず後続車に注意を促すためにハザードランプを点灯し、強めのブレーキを踏んで減速します。減速すれば、ハンドルでの回避もそのぶん容易になりますし、わずかでも落下物に近づくまでの時間が稼げるので、回避方法を考える余裕も生まれます。
減速しながら、すばやく周囲の状況を確認し、もっとも安全な回避方法を選びます。今回は落下物の左側に通過できる余裕がありましたが、落下物が大きく車線変更が必要になる場合、すばやく移ろうとする車線の様子を確認してから落下物を回避します。それが難しい場合、落下物の手前でいったん停止しますが、その場に止まると後続車に追突されるおそれがあるので、車が途切れたらすぐに車線変更して落下物
を回避しましょう。