【クイズの解説】サービスエリアの駐車場での危険予測 55【クルマ視点】
交通安全クイズ
ヒントページのアニメーションをご覧下さい。
あなたは高速道路のサービスエリアで長居をしてしまいました。出発予定を過ぎた為、目的地に向けて急いで車に乗り込み、駐車場からバックしようとしています。
今回のシーンで、最も大きな危険が潜んでいたのは?
- 【1】 左の停止車両
- 【2】 こどもの頭
- 【3】 モニターの歩行者
正解は↓↓こちら!
正解と解説
【2】こどもの頭
クルマの死角にこどもがいて、危うく事故になるところでした。
駐車場での死傷者数は約6,000人(平成26年)!
駐車場では車の速度は低いため、車両同士の軽微な物損事故が多く、人身事故は少ないと思われがちです。
しかし、平成26年に起きた四輪車との事故による歩行者の死傷者数(※)を道路形状別で見ると、1位の「交差点」が2万1,443人、2位の「単路」が1万4,775人と多いものの、3位の「駐車場」が6,022人と、4位の「交差点付近」の3,739人を大きく上回っています。
しかも、平成22年のそれぞれの場所での死傷者数を100として平成26年と比較すると、「交差点」が83、「単路」が75、「交差点付近」が83と、それぞれ2〜3割近く減少しているのに対し、駐車場は96と減少率が低くなっています。駐車場でも人身事故が多く起きていることを忘れず、周囲の状況に十分注意して走行する必要があります。
(資料=交通事故総合分析センター)
※1当と2当の合計。事故の当事者の中で過失が重い順に第1当事者(1当)、第2当事者(2当)となる。過失が同程度の場合、けがの程度が軽いほうが1当になる。
駐車場ではドライバーも歩行者も注意不足に!
駐車場で人身事故が多い理由に、駐車場では車の速度は低く信号や交差点もないため、ドライバーも歩行者も一般道路に比べて注意がおろそかになる点があります。
ドライパーは駐車スペースを探しながらの走行や、車庫入れなどの運転操作に意識が集中しがちです。
しかも今回のように急いで駐車スペースから出ようとすると、安全確認はさらにおろそかになってしまい、より事故が起きやすくなります。
一方、車を降りた歩行者は、車内から出た開放感やトイレやレストランに急ぐ心理から、周囲への注意を忘れて車の陰から左右を確認せずに車道を横断するなど、危険な行動を取ってしまいがちです。
なお、駐車場での歩行者と四輪車の事故を調べると、6歳以下のこどもと65歳以上の高齢者において以下の特徴があります。こどもは保護者が手をつないでいないことが多く、四輪車が発進、直進時に事故に遭うケースが多くなっています。
一方、高齢者の場合、四輪車が後退時に歩行者側が安全を十分確認せずに事故に遭う傾向があります。
(資料=交通事故総合分析センター)
バックモニターのみに頼らず、目視確認も!
バックモニターがあれば、目視では見えない死角も含めてモニター画面で後方を確認できますが、今回のように車の側方周辺はパックモニターに映らないので注意が必要です。
また、後方にも一部カメラに写らない死角がありますし、目視と比べて距離感が異なっていることや、夜間や逆光の際は見えづらいこともあります。
バックモニターだけでなく、必ず周囲も目視で確認しながらバックするようにしましょう。とくにハンドルを切ってバックする際は、車のフロント部分がハンドルを切った方向とは逆にふくらむ外輪差が発生するので、車の側方に人がいないか十分注意します。
また、バックモニターはシフトレバーをバック(R)に入れてから画面に映像が出るのにわずかながらタイムラグがあります。映像が出る前に急いでバックして事故を起こした事例もあるので、モニターに出た映像をしっかり確認するとともに目視で周囲の安全確認をしてからバックしましょう。
なお、最近では複数のカメラで撮った映像を画像処理して、自分の車を上から見下ろしたような映像を確認できる機能が付いた車もありますが、周囲の障害物の見え方や距離感の誤差、一部映らない死角もあるので、これらの装置のみに頼った運転は禁物です。
【別視点】死角に入りやすいこども
駐車場にはこどものように運転免許を持たない方もいます。そのような人は車の動きが予測できず、車が動く方向に歩いたり、バックする車の後ろで立ち止まったりしてしまうこともあるので、ドライバー側が十分注意しなくてはいけません。
とくに体が小さいこどもは車の死角に入りやすいので、車に乗る前に周囲を見回し、こどもがいないか確認しておきます。
今回のように車の前方から近づいて、バックする際に車の側方に入るケースもあるので、広く周囲を見回しておくことが大切です。
バックする際は、人の声などからすぐ危険を察知できるように、音楽やラジオのボリュームを絞ったり、窓を開けたりするなどしてゆっくり慎重にバックします。
危険を察知したらすぐ停止できるように、アクセルは踏ますプレーキペダルの踏み加減で速度を調整し、じわじわと低速で動くようにします。
一方、こどもを持つ保護者は、こどもだけ先に車から降りて走り出したりしないように、車から降ろす際は十分注意して、駐車場内ではできるだけ手をつなぎ、こどもの動きには常に気を配っておくようにしましょう。