【クイズの解説】家族で山道をドライブ中の危険予測 52【クルマ視点】

交通安全クイズ 第290問

Quiz問題

ヒントページのアニメーションをご覧下さい。
休日、あなたは家族を乗せて山道をドライブしています。
今回のシーンで最も大きな危険が潜んでいたのは?

2017年10月Q201→2023年8月Q290

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  • 【1】 動物
  • 【2】 後席の妻
  • 【3】 対向車

正解は↓↓こちら!

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正解と解説

【2】後席の妻

後席の同乗者がシートベルトを装着していなかったため、前方に投げ出されてしまいました。

ドライブ中の「動物の飛び出し」イラスト図

シートベルト非着用は急ブレーキ時も危険!


後席シートベルトは2008年に道路交通法の一部改正により装着が義務化されており、運転者がシートベルトを装着しない者を乗せて自動車を運転することは違反となります。

しかし、運転席と助手席のシートベルトの装着率は高速道路も一般道路もいずれも100%近いのに対して、後席シートベルトの装着率は高速道路で71.8%、一般道路では36.0%と低くなっています(2016年警察庁・JAF調査より)。

後席シートベルトの装着率が低い理由のひとつに、「後席はフロントガラスなどに直面していないので安全」と思っている人が少なくありませんが、時速40kmでコンクリート壁に衝突した場合、体重の30倍のカが体に加わると言われており、今回のような急ブレーキでさえ、自分の体を支えることは不可能です。

2015年の後席同乗中におけるシートベルト着用有無別の致死率でも、ベルト着用者の致死率が0.14%なのに対してベルト非着用者は0.61%と、致死率は約4.4倍と高くなっています。

また、シートベルトをしていないと事故時に車外放出される危険性も高く、同じ2015年で後席同乗中に車外放出された97人中、シートベルト非着用が95人(98%)を占め、そのうち33人(34%)が死亡に至っています。

さらに、後席の乗員がシートベルトをしていないと、前席の乗員にまで危害を加えることがあります。

日本自動車連盟(JAF)が衝突実験を行ったところ、後席でシートベルトをしていないダミーが前席のシートに頭を強打したうえ、シート越しにドライバーにも衝突。ドライバーの頭部に重大な損傷が生じる結果になっています(下記動画参照)。

【動画】後席シートベルト非着用時の危険性:日本自動車連盟(JAF)

(資料=交通時総合分析センター)

山道や郊外では動物の飛び出しにも注意!


今回のような山道はもちろん、地域によっては郊外や市街地の道路でもタヌキやイノシシなどの野生動物が道路に出てくることがあります。

動物の飛び出しが多い場所には、「動物が飛び出すおそれあり」の警戒標識(下)が設置されているので、この標識を見かけたら、動物の飛び出しに注意して速度を抑えて走ることが大切です。

「動物が飛び出すおそれあり」の標識

標識にはシカやタヌキ、クマなど、その地域に多い動物が描かれています。道路に出てきた動物を避けられず轢いてしまうケースも多く、NEXCO東日本管内の高速道路では、2015年に車との事故で処理された動物は約2万500件に上っています。

そのうち「タヌキ」が約8,900件(43%)ともっとも多く、2位が「烏類」の約5,900件(29%)、3位が「犬・猫」の約1,600件(8%)となっています。

一般道路では、新潟県の直江津国道維持出張所が平成18年4月から平成20年10月20日までの約3年間、車に轢かれた動物の処理件数を調査しており、583件に上っています。こちらも1位は「タヌキ」で308件(53%)と圧倒的に多く、2位は「猫」で92件(16%)、3位は「カラス」で69件(12%)となっています。

なお、今回は動物の飛び出しが原因で急ブレーキを踏むことになりましたが、市街地や住宅地では人や自転車が飛び出す危換性があります。どんな場所を走行していても、必ずシートベルトやお子様に合ったチャイルドシート、ジュニアシートを正しい方法で装着することが大切です。

チャイルドシートとジュニアシート着けぬドライブはケガのもと

急ブレーキ、急ハンドルはNG!


動物に飛び出されると、つい急ブレーキや急ハンドルで回避しがちですが、それは危険です。後続車との車間距離が短い場合、急ブレーキによって後続車に追突される危険がありますし、雨天時や悪路を走行していた場合、急ブレーキによって車の挙動が不安定になることもあります。

一方、急ハンドルでの回避はさらに危険がともないます。車のコントロールが効かなくなり、緑石に乗り上げたりガードレールや対向車に衝突したりする事故も起きているので、ハンドルでの回避は避けましょう。

ちなみにタヌキやシカは夜行性なので、夜間から早朝に出てくるケースが多くなります。夜間走行する際は、より速度を抑え、早めに発見できるように状況に応じてできるだけライトを上向きにして走行しましょう。

また、親子や群れで暮らしている動物も多いので、1頭見つけたら、2頭、3頭と続けて出てくる危険性を考えておくことも必要です。タヌキは子離れの時期などに当たる秋から冬にかけて事故が多くなるので、とくに注意が必要です。

後席でもシートベルトを着け、こどもは後席に!


今回のようにシートベルトをしていないと、急ブレーキでも体を支えられず危険です。また、後席でベルトをしていないと、投げ出された体で同乗者に危害を及ぼす危険性もあります。

高速道路はもちろん、一般道路でも、車に乗ったらすべての席で必ずシートベルト(こどもはチャイルドシート等)を正しい方法で着用するようにします。ドライパーは同乗者全員がシートベルトやチャイルドシート、ジュニアシートを装着しているかを確認してから走り出すようにしましょう。

ドライブ中のチャイルドシートの正しい着用のイラスト図

また、今回助手席にこどもを乗せていましたが、事故の際に助手席エアバッグが盛らんだとさ、重大な傷害を負う危険性があるので、こどもは助手席でなく、後席に乗せるようにします。

やむをえず、助手席にこどもを乗せる場合、できるだけシートを後方に下げ、走行中は前方に乗出さないように注意するようにします。

こどもの体格が小さく、シートベルトが首や腹部にかかってしまう場合、ジュニアシートを使用することも大切です。

なお、ベルトをしたままこどもの世話がしづらいこともありますが、走行中は必ずシートベルトを着用するようにして、ベルトを外す必要がある場合は駐車場など安全な場所に車を止めてからにしましょう。

★参考:家族で山道をドライブ|危険予測トレーニング|Hondaの交通安全

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