【クイズの解説】夏山登山の注意点
防犯・防災クイズ
8月11日は「山の日」。近年の登山ブームの影響からか遭難事故発生件数は年々増えています。では、夏山登山の注意点としてコラム内で述べられている事は次のうちどれでしょう?
- 【1】 荷物はなるべく軽く、軽装にする
- 【2】 高カロリーな食品の摂取は避ける
- 【3】 夏山でも気温が低く体温が下がる
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正解と解説
【3】夏山でも気温が低く体温が下がる
2016年から「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日として、8月11日が「山の日」になりました。
気候のよい夏の山は、誰でもカンタンに登れそう……。そう思い込んでしまうことが夏山の落とし穴なのです。夏山登山の遭難事故は多く、準備を怠ると大変なことになります。
たとえば、富士山頂は真夏でも平均気温は約6℃しかありません。 これは真冬並みの寒さです。山の気温は標高が100m高くなるごとに、約0.6℃ずつ低下します。
さらに、風速が1m増すごとに1℃ずつ体感温度が下がるといわれ、そこに横殴りの雨が加わったらますます体温が奪われることに……。体が冷えた状態が続けば「低体温症」になり、命にかかわる最悪のケースも考えられます。
低体温症とは、寒さや雨などで体の熱が奪われて起こる全身的な障害のことです。雨や風など悪条件が重なれば気温が10℃の時でも起こります。とくに、体温調整能力が落ちている高齢者は、本人が気付かないうちに症状が悪化するので注意しましょう。
■低体温症にならないための対策5つ
【対策1】雨を避ける!
悪天が予想されるなら日程を変更しましょう。山の天気は変わりやすく、突然荒天になる場合もあります。岩の陰に隠れたり、くぼ地に避難するなどして風雨をしのぐことを心掛けてください。
【対策2】汗はこまめに拭く!
汗も体を冷やす一因になるため、こまめに拭くように心がけましょう。アンダーウェアとして山岳専用の吸汗速乾性に優れた下着をつけるのがオススメです。
【対策3】重ね着しよう!
暑い時は吸汗速乾性に優れたTシャツだけでもOKですが、風が強くなり始めたらウインドシェルを羽織り、雨が降ってきたらレインウェアを着るなど、状況に応じて重ね着をしましょう。
【対策4】高カロリーな食事を取りながら休みなく歩く!
歩き続けることで体を冷やさないのも一つの手。チョコレートのような高カロリーな食べ物を持参しましょう。立ち止まると体が急激に冷えるため、歩きながら食べられるものを選ぶとよいでしょう。
【対策5】保温につとめる
寒いと思ったらすばやく防寒着を着ること。体温が35℃を下回ると動けなくなる可能性が出てくるため、フリースやブランケットにくるまったり、テントを張ったりして、できるかぎり体温を保つように努めましょう。
このほかにも、道に迷ったり、滑落したりして遭難するケースは後を絶ちません。夏だから、みんなが登っているから……と油断せず、十分な装備と無理のない計画が大切です!