【クイズの解説】「リビングウィル」とは
介護クイズ
1976年のアメリカでのある裁判の判決がきっかけで、リビングウィルという概念が広く普及されたと言われています。では「リビングウィル」とは何のこと?
- 【1】 延命治療などに対する意思表示
- 【2】 患者の権利に関する医師会宣言
- 【3】 ボランティアでの医療活動
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正解と解説
【1】延命治療などに対する意思表示
平均寿命が男女ともに80歳を超えた今、終末期医療はどうあるべきかが大きなテーマになっています。
医療の進歩によって、これまで助からなかった病気や事故から回復することが可能になりました。一方で、意思疎通ができず回復が望めないような状態で延命することができるようになりました。本人の意思が確認できない状態で、人工呼吸器や人工栄養を用いて生かされ続けるのは人間としての尊厳のある状態ではないという考えを持つ人が増えてきました。
◆リビングウィルとは?
1976年のアメリカにおいて、脳の障害により植物状態になった女性の親が人工呼吸器を外すよう裁判所に訴え、裁判所がそれを認めました。
その判決を受けて、カリフォルニア州で、成人が末期状態になった時に生命維持装置の不使用・取り外しを前もって指示する書面を作成しておく権利が法制化されました。
これをきっかけにリビングウィルという概念が広く普及されたと言われています。
リビングウィルはその後ヨーロッパの国々においても広がっていますが、延命治療の差し控え・中止など、認められる範囲は国によって異なります。
日本では、「自分の命が不治かつ末期であれば、延命措置を施さないでほしい。苦痛を和らげる緩和ケアは行なってほしい。」という意思を文章で表すことをリビングウィルとして、一般財団法人日本尊厳死協会が普及・啓発活動を行なってきました。
「あらゆる手段を使って生きたい」と思っている多くの方々の意思も、尊重されるべきことです。一方、チューブや機械につながれて、なお辛い闘病を強いられ、「回復の見込みがないのなら、安らかにその時を迎えたい」と思っている方々も多数いらっしゃいます。「平穏死」「自然死」を望む方々が、自分の意思を元気なうちに記しておく。それがリビングウイル(LW)です。
最期まで尊厳を尊重した人間の生き方に着目した医療を目指すことが重要である、という考え方が広まっています。リビングウイルは「人生の最終段階における医療」において、自分で決める、思いを伝えることです。
(※上記解説文の内容は2016年2月現在のものです。 制度の改正等により内容が相違する場合もございますので予めご了承ください。)
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