【クイズの解説】冬の住宅街での危険予測 42【クルマ視点】
交通安全クイズ
交通安全に関するクイズです。ヒントページのアニメーションを見て答えて下さい。
冷え込んだ朝、あなたは自動車で車庫を出たところです。今回のシーンで最も大きな危険が潜んでいたのは?
- 【1】 小学生の集団
- 【2】 前方の対向車
- 【3】 右側の自転車
正解は↓↓こちら!
正解と解説
【3】右側の自転車
右側から自転車が出てきて、危うく衝突しそうになりました。
車と自転車の事故の半数は「出会い頭衝突」!
今回のような「信号無し交差点」での事故は、令和3年に7万7,705件起きています。これは「一般単路」の10万8,775件に次いで多い件数で、全事故件数の約25%、全体の約4分の1を占めています。
今回、自転車が飛び出してきましたが、自転車が第1当事者または第2当事者(※)となった交通事故件数(自転車関連事故)は6万9,694件に上り、交通事故全体の約2割になっています。
自転車事故の相手で最も多いのが自動車で、79.1%と約8割を占めます。さらに事故類型別で見ると、「出会い頭衝突」が3万5,029件(50.3%)と、半数以上を占めています。
つまり、今回のような信号が無い交差点で、自動車と自転車が出会い頭事故を起こすケースは多く、十分注意する必要があります。
(資料=交通事故総合分析センター)
※ 事故の当事者の中で過失が重い順に第1当事者(1当)、第2当事者(2当)となる。過失が同程度の場合、けがの程度が軽いほうが1当になる。
違反別で最も多い「安全不確認」
問題の場面をよく見ると、フロントガラスの右側の凍結部分に、自転車の前輪がわずかに見えていました。朝の通勤時は、つい急いでガラスの霜が解けきらない状態で走行してしまいますが、そのぶん視界が確保できず、今回のように自転車や歩行者を見落とす危険性が高くなります。
令和3年の自動車等(原付以上)運転者の違反別交通事故件数では、安全不確認(9万1,413件)が最も多くなっています。また、脇見運転(3万6,499件)や動静不注視(2万9,368件)による事故も多発しています。
今回のように小学生が道路を渡っていると、そちらばかり気をとられてしまう危険があります。また、子どもはふざけながら歩いたり、何か興味を引かれるものがあると、不用意に走り出したりすることもあります。周囲の状況にも注意しつつ、子どもが完全に渡り終えるまで注意を配ることも大切です。
(資料=交通事故総合分析センター)
ガラスの霜は走行前にしっかり落とす!
屋根のないガレージでは、冷え込んだ朝、車のガラスが霜で凍結することがあります。霜が厚いと解かすのに時間がかかり、完全に解けきらないうちに走り出すドライバーも少なくありませんが、凍結部分が残っていると、今回のような自転車や歩行者だけでなく、信号を見落とす危険性もあります。
デフロスターだけでは、ガラスの凍結を解かすのに時間がかかります。日本自動車連盟(JAF)が行ったテストでは、デフロスターの温風を最高・最強にしても、視界の8割程度の氷を解かすのに10分ほどかかっています。
一方、解氷剤を使うと1分ほどで視界が確保できました。長時間のアイドリングは排ガスなど環境面でも問題があるので、解氷剤や氷を削り取るスクレイパー(へら)を併用するようにしましょう。また、ガラスを覆う凍結防止用のカバーも凍結防止には有効です。
なお、凍結時や降雪時は視界確保のためにワイパーを使う機会が多くなるので、日頃からワイパーゴムの劣化やウォッシャー液の不足に注意しておきましょう。
【別視点】自転車からの視点
上図は自転車で交差点に差し掛かった女子学生から見たものです。一見、左の車がこちらを見て減速してくれたように見えますが、よく見ると車の窓が霜で凍っていてドライバーの顔が見えません。
交差点での事故は、相手との意思の取り違いで起きることが少なくないので、ドライバーと目と目を合わせる「アイコンタクト」を取って、本当に自分のために譲ってくれたのか、相手の意志をしっかり確認することが大切です。
また、自転車側には一時停止の規制もありました。令和3年の自転車乗用者の違反別事故件数では、「一時不時止」による事故は2,360件と、「安全不確認(3,449件)」の次に多く発生しています。
止まれの標識や路面標示がある所はもちろん、たとえ規制がなくても、見通しの悪い路地から出る場合、必ず一時停止をして、左右を確認してから横断するようにしましょう。
なお、「学齢別歩行者の通行目的別死傷者数」を見ると、小・中学生では「登下校時」が1,848人(約40%)と最も多くなります。
また、「自宅から500m以内」での死傷者数が半分以上を占めています。自宅から近い、慣れた道ほど油断しがちなので注意しましょう。(資料=令和3年版「交通統計」)