【クイズの解説】緊急事態への対処法「お餅の事故」
防犯・防災クイズ
餅などの窒息事故で救急搬送される高齢者が最も多い1月。喉に餅を詰まらせたときの対処法の中でも、乳幼児や妊婦に行ってはならない対処法はどれでしょう?
- 【1】 背中叩打法
- 【2】 腹部突き上げ法
- 【3】 掃除機による吸引法
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正解と解説
【2】腹部突き上げ法
お正月は家族だんらんをはじめ、初詣や福袋など、楽しいイベントも盛りだくさん。おせち料理を食べながら日本酒で一杯なんて、食の楽しみを満喫されている方も多いのでは?
東京消防庁によれば、2006年から2010年までの5年間で、餅などによる窒息事故で救急搬送された人数は601人。月別にみると、1月が212人と最も多く、次いで12月が86人。12月と1月の合計人数は298人で、1年を通じてこの2カ月は約半数を占めています。また、事故全体の9割以上が60歳以上となっており、高齢者は特に注意が必要です。
お餅の事故は軽傷じゃ済まないことが多いので、迅速な処置が必要です。まず救急車を呼んで、次の方法を試しましょう!
◆背中叩打法
- 食べ物を詰まらせた人(傷病者)の胸(もしくは下アゴ)を支えて、うつむかせる。
- もう片方の手のひらの付け根で、傷病者の肩甲骨と肩甲骨の間を迅速に、強く4〜5回叩く。
- 口の中を見て食べ物が出てきたら取り除く。
※背中叩打法は、意識の有無・年齢・性別に関係なく実施できます。餅が見えたら取り出す必要がありますが、あやまって餅をさらに押し込む危険があるので無理は禁物です。
◆腹部突き上げ法(ハイムリック法)
- 傷病者の後ろに回り、ウエスト付近に手を回す。さらに、もう一方の手で「へそ」の位置を確認する。
- もう一方の手で握りこぶしを作って、親指側を、患者の「へそ」の上方で、みぞおちより十分下方に当てる。
- 「へそ」を確認した手で握りこぶしを握り、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げる。(妊婦や乳児への実施は絶対に避けること)
※ハイムリック法は、腹部を圧迫するため、内蔵を痛める可能性があります。救急隊が到着したらハイムリック法を行ったことを伝え、すみやかに医師の診察を受けてください。
◆掃除機による吸引法
- 掃除機の先を、細いノズルに付け替える。
- スイッチをOFFにしたまま、喉の奥まで入れる。この時、唇や舌は指などでおさえること。
- スイッチをONにする。レベルを強めに設定し、短い時間で吸い出す。
- ノズル先端の音の変化に注意し、喉を吸引して傷つけないようにする。
※舌や肺喉を傷つけるリスクがあるため消防庁は推奨していませんが、家庭にある掃除機に接続して、喉に詰まった異物を吸引する専用ノズルも販売されています。
◆発生を防ぐ対策
お年寄りは、噛む力や飲み込む力が弱くなっているだけでなく、唾液の分泌量も少なく、食べ物が詰まりかけた時に咳をする反応が弱くなっています。喉に詰まる可能性がある食べ物は餅だけではありません。食べ物はなるべく小さく切って、急いで飲み込まないことが大切です。
公式サイトの方にイラスト入りの説明がございますので、いざという時の為にも是非ご一読ください。