【クイズの解説】日没後の住宅街での危険予測 28【クルマ視点】
交通安全クイズ
クルマ視点での危険予測トレーニングクイズです。ヒントページのアニメーション動画を見て答えて下さい。
あなたは日没後に住宅街を抜ける道をクルマで走っています。
今回のシーンで、最も大きな危険が潜んでいたのは?
- 【1】 左側の歩行者
- 【2】 対向車の後方
- 【3】 自転車
正解は↓↓こちら!
正解と解説
【2】対向車の後方
対向車の陰からおばあさんが渡ってきて、事故になるところでした。
日没後に多い高齢歩行者の事故
令和2年の交通事故死者数2,839人を年齢別、状態別でみると、65歳以上の高齢歩行者が743人で最も多く、全体の26%を占めています。また、自動車対歩行者事故の時間当たりの発生件数は、昼間と比べて薄暮時間帯は約4倍多く、時間帯別で見ると、日没後の17時~19時に多発しています。
夜間に起きた高齢歩行者の死亡事故を事故形態別にみると、最も多いのが「横断歩道やその付近の道路を横断中」で全体の約半分を占めます。さらに、夜間は車から見て「歩行者が右から左へ横断」するケースが多くなります。
つまり、今回のケースは実際の道路で最も多く発生している典型的な事故事例と言えます。(資料:警察庁)
「車両の直前直後の横断」が多い!
歩行者が車両の陰から横断するのは、事故につながる危険性も高く違反行為そのものですが、車が直進中の歩行者死亡事故を調べると、7割の歩行者法令違反があり、今回と同じ「走行車両の直前直後の横断」と「横断歩道外横断」が多くあげられます。
同じ条件でドライバーの事故発生要因を調べると「前方不注意」が50%、「安全不確認」が16%を占めます(以上令和2年データ)。
ドライバーは一瞬の気の緩みやわき見が死亡事故につながることを理解して運転に集中してください。さらに、横断歩道以外での歩行者の不用意な横断が多いことを忘れないで、歩行者の横断を予測しながら、より慎重に運転することが大切です。(資料:警察庁)
ドライバーの危険予測が重要
問題の場面に遭遇したら、まず「対向車とすれ違ったあと、歩行者が渡ってくるかもしれない」と、危険予測することが大切です。
特に今回のように左側に店舗がある場所では、人が横断してくる可能性が高くなります。同じように信号のない交差点など、左側に路地がある場所でも、人の横断が多くなるので注意しましょう。
なお、歩行者の死傷事故について、ドライバーが危険を認識した時点の速度を調べてデータでは、時速30kmを超えると致死率が高くなります。
制限速度を守るのはもちろん、今回のように人の横断が予測できる場所などでは、事前に速度を十分に落として万が一に備えておくことが事故の防止・軽減につながります。(資料:交通事故総合分析センター)