おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

詳細情報

ニシン

ニシン
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Pacific herring
学名
Clupea pallasii Valenciennes
別称
カド・カドイワシ(北海道、東北)、バカイワシ(北海道)、ヘロキ(アイヌ語)
分類
ニシン目 ニシン科 ニシン属
体長
35cm
分布域
犬吠崎以北の太平洋、日本海、オホーツク海。その他、ロシア・アラスカを経てカリフォルニアに至る北太平洋。北極海。
特徴
下顎は上顎より少し長い。腹部は稜鱗に覆われて角張る。「カドイワシ」という地方名は「角のある鰯」の意味で、分類上もイワシに非常に近縁である。本種には、産卵場所や生息地の異なる多くの「系群」があり、日本近海を回遊するものとしては、「北海道・サハリン系群」、「石狩湾系群」「テルペニア系群」などがあり、また、「厚岸湖系群」「能取湖系群」のように汽水湖に生息するものもある。餌は、プランクトン性の甲殻類、小魚、魚卵など。一般に、3~6月に集団で接岸して産卵する。明治時代には桁外れの大群が押し寄せる、いわゆる「群来(くき)」現象が見られ、「春にしん」と呼ばれる北海道・サハリン系群を中心に、年間100万トンもの水揚げがあったが、同系群は1950年代以降すっかり姿を消し、幻の魚と呼ばれるようになった。その後、1980年代に多少出現したが、現在も低水準が続いている。この不漁の原因としては、海洋環境の変化、乱獲、森林伐採などの説があるが、真相は判明していない。現在、日本の消費の大部分は、北米、ロシア、ヨーロッパからの輸入物。
料理法
塩焼き、酢漬け、煮付け、三平汁などで賞味。ほろほろとした肉質で、独特の滋味がある。干物である身欠きニシンは、にしんそばや昆布巻きに使われる。料理に手間は掛かるが、鮮魚とは一味違う旨味が楽しめる。卵巣の数の子は「カドの子」が語源。正月には欠かせない縁起物。