【クイズの解説】 日本の文化「正月飾り」

一般常識クイズ 第44問

Quiz問題

正月飾りは、お正月に家々を訪れる年神様(としがみさま)をお迎えするための目印となり、鏡餅は神様に滞在していただくための「依り代(よりしろ)」です。

この年内にしておく正月飾りのアイテムは3つありますが、「門松」「鏡餅」、あともう1つは何でしょう?

正月飾りのイメージ画像

  • 【1】 金の屏風(びょうぶ)
  • 【2】 しめ飾り
  • 【3】 提灯(ちょうちん)
チョーク1チョーク2チョーク3黒板消し

正解と解説

【2】しめ飾り

「正月飾り」は日本の文化の1つです。日本ではお馴染みの行事ですが、3つのアイテムそれぞれの役割を知らない方も多いのではないでしょうか?

神様がやってくるときの目印となる「門松」


門松の役割は、神様が迷わず家に来てくれるようにする目印です。

成長が早くて生命力が強い竹と、冬でも花を咲かせる縁起の良い梅も一緒に飾ることで、不老長寿や繁栄の願いを込め、現在のような形になったそうです。

門松の左右(雄雌)の見分け方・置き方


門松は2つで1対となっていて、雄松と雌松があります。オス(雄)を左、メス(雌)を右に置きます。

【オス(雄松)】

  • 樹皮が黒っぽい
  • 葉が太い、固い、長い
  • 白い葉牡丹(はぼたん)が活けてある

【メス(雌松)】
  • 樹皮が赤っぽい
  • 葉が細い、柔らかい、短い
  • 紅い葉牡丹が活けてある


不浄なものを入れない結界「しめ飾り」


年神様はお正月に家々にやってきて、幸せを授けるとされています。 その年神様をお迎えするための飾りが、しめ縄やしめ飾りなのです。

「しめ縄」は「ここは神様をお迎えするのにふさわしい神聖な場所です」と示し、不浄なものが入らないようにする、結界の役割を持つもの。「しめ縄」を縁起物で飾り付けたものが「しめ飾り」です。

年神様のア依り代(よりしろ)となる「鏡餅」


鏡餅は、新年の神様である年神様の依り代です。 そもそも一連のお正月行事というのは、新年の神様である「年神様」を家に迎えて・もてなし・見送るための行事ですが、お迎えした年神様の居場所が鏡餅です。

鏡餅はお正月の縁起物であるため、食べるときにも縁起を担ぐことが大切です。包丁などの刃物は使わず、木槌で叩いて割るようにしましょう。

鏡餅をいつまでも飾り続けることはせず、松の内が明けたあとは鏡開きをして食べるようにしてください。長期にわたって鏡餅を飾ることは、家に来た神様に失礼な行為と見なされます。

飾られる縁起物の意味


正月飾りに使われる縁起物にも、それぞれ意味があります。

  • 【椿(つばき)】
    冬でも葉が落ちない常緑樹。青々として艶のある葉が繁栄の象徴とされています。
  • 【菊(きく)】
    元々不老長寿の薬として中国から日本へ伝わってきました。そのため長生きの縁起ものとされています。
  • 【松(まつ)】
    真冬でも青々とした葉を茂らせる、長寿と健康のシンボルです。新年の神様が降りてくる依り代(よりしろ)でもあります。
  • 【南天(なんてん)】
    『難を転じて福となす』という意味でよくお正月飾りに用いられています。また、赤色には厄除けの力があると昔から信じられていたようです。
  • 【松ぼっくり】
    種子を沢山持つことから、子孫繁栄の意味があるという説があります。
  • 【笹(ささ)】
    小型の竹である笹には、真っ直ぐに力強く伸びる姿から生命力や商売繁盛の発展を願う意味合いが込められています。
  • 【鶴(つる)】
    古来より『鶴は千年』と言われるように、長寿を象徴する吉祥の鳥です。また、鶴は夫婦仲が大変良く一生を連れ添うのだそうです。
  • 【橙(だいだい)】
    家系が「代々」反映することを願う意味が込められています。
  • 【扇(おうぎ)】
    繁栄を意味する末広がりの扇が使われています。
  • 【裏白(うらじろ)】
    シダ植物の一種で、葉の裏側が白く、夫婦円満(葉が左右対称である)、長寿(枝が長く伸びる)、潔白(葉の裏が白い)を表しています。


正月飾りはいつから、いつまで飾る?


お正月飾りを飾る時期としては、「正月事始め」である12月13日以降なら、いつ出しても構わないそうです。現在は、クリスマスが過ぎた12月26日ごろから飾り始めるのが一般的とされています。

ただし、「飾るのを避けた方がいい」と言われる日もあり、それが「12月29日」と「12月31日(大晦日)」です。

理由としては、「29」の発音が「二重の苦」を連想させ、「苦立て」という縁起が悪い日とされるため……と言われています。

大晦日に関しては諸説ありますが、その1つが「一夜飾り」……年神様に対して「誠意を欠く行為だから」とされています

よって、12月26日、27日、28日、30日あたりに飾ることが多いようです。

正月飾りを片付けるタイミングは、「松の内」と呼ばれる期間の最終日とされています。関東は1月7日まで、関西では1月15日までに正月飾りを取り外すのが一般的です。

松の内とは、正月事始めから神様がお帰りになるまでの期間を指します。松の内の終わりの時期は地域によって異なり、関東や東北、九州地方などは1月7日まで、関西地方は1月15日(小正月)までとする場合が多いようです。

お飾りの後始末は?


1月15日頃に行われる「どんと焼き」等のお焚き上げに出します。しかし、最近の環境問題や住宅事情等により、お焚き上げ等に出せない場合は、各ご家庭で地域の処理方法に従うことになります。

そのような場合は、塩や酒で清め、お礼と感謝の気持ちを込めれば良いでしょう。

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